暗闇の中に光を見る

冬至に向かって夜が長くなっていく

大都会に住んでいた時にはあまり感じなかったことなのですが、11月〜12月の冬至までというのは、日がどんどん短くなり、いつもより暗い時間が長く感じられます。

緯度が高い札幌市では16時頃日の入りの時間になり、15時くらいにはもう夕方という感じです。

冬至までの間に、夜がどんどん長くなっていくのです。

暗闇の中の光という象徴、クリスマス

クリスマス、というものがヨーロッパで定着したのは、この時期の夜の長さ、の影響がとても大きいのです。

救い子イエスの誕生を祝うクリスマスですが、元々は、ローマの冬至のお祝いが12/25だったという説があります。

一年で一番暗い時期に、この世を照らす光の存在として、イエスキリストが生まれた、というのは、暗闇の中に光を見るということの象徴なのです。

イルミネーションをつけたくなった

この時期は内省的になる

冬の暗い時期こそ、明るいものを求めたくなります。

電気のない時代の光は温かく、心強かったことでしょう。

光が短くなっていき、暗闇の時間が増えている、ということは、少なからず私たちにも影響を及ぼしています

木々が葉を落としていき、来年の春の芽吹きの準備を内側で始めているように、人間もまた、新しいことを始める、というよりは、今までやってきたことの整理をして、片付けていく時期です。

内的にも外的にも、これまでのことを振り返りつつ、内省的になっていく季節なのです。

暗闇には影がなく、普段は感じない部分が見える

真っ暗の中で光をつけずにしばらくいてみるとわかりますが、暗闇には影がありません。

光がないということは影もないのです。

普段私たちは、光の中で生きています。
光の中にいると、影の部分は真っ暗になり見えません。

ところが、光がないところへ行ってみると、光がある時には見えていなかったものも見えてきます。

光に当たっていた部分も、自分の影も一様に、そこにあるがままにあるのです。
ある意味、真実に近い姿をみることができるのが、暗闇だと言えます。

これが、冬至までの間に起こることです。
秋の夜長に感じる、感慨の深さというのは、普段は触れることのないところを感じる時期ゆえなのかもしれません。

暗闇の中だからこそ見える、自分の内側からの光。

普段は気づかなかったものに気づく時、少しブルーな気分になったりします。
なんかちょっと悶々としたりする事もあります。
普段より光が少ないせいもあるでしょう。

芸術の秋、とはまさに、この状態にあるからこそ、芸術が生まれると言えます。
ハートが深く反応するからです。

そして、暗闇の中にいる時こそ、気づくものがあります。

それは、自分の内側から発する光です。

自分の中に光るものを見つけることができるのが、光の少ないこの時期なのです。

暗さの中でこそ、小さな光が際立ちます。
自分の中にある光が、思いのほか強いことが感じられる時期とも言えます。

この時期の夜の暗さを感じてみると、思わぬ発見があるかもしれません。

冬の夜が暗く静まりかえっている
私たちも深く眠りにおちる
穴にこもって眠るクマたちが春の訪れを夢みてまどろむように
母なる大地の懐に抱かれて、まだ見ぬ双子の片割れと出会うだろう

この深い闇の暗さの中に、光り輝く一つの小さな火があった
小さいけれどあたたかく強い光は、確かに私の中にあった

この暗闇が教えてくれた
闇の中の一筋の光の強く美しいことを
光の中の影が深く美しいことを

ー2016年冬至

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