SHASで学んだこと
School of Healing Arts ans Sciences で学んでいます。
2009年にオープンクラスに初めて参加してから10年以上経ちました。統合エネルギー療法の専門課程に入学したのは、2011年、東日本大震災が起きた直後でした。
長い間学んできて、(入る前から長くなるとわかっていましたが)振り返ってどんなことを学んできたのかな、と考えて見ました。
時間をかけること、それを自分に許すこと
入学したときに、師に言われたのは、「時間をかけること」でした。私のせっかちで達成したがりな、性格を読んでいたんだと思います。
その意味は今になると、身に染みて、そのことの大切さがわかります。
入学すると、いろんなことに焦点が当たりはじめます。これまでは無視をしていた部分を見ていくようなそういう出来事が起こるし、向かい合わなければその先に進めない、というようなことがたくさん、たくさん起こります。
それは入学の条件に、5年間の心理療法を年に18回以上受ける、というものがあるので、自分自身と向き合わざるを得ません。18回というのは、結構な回数で、私の場合、2週に一回通っていましたが、それでも20回ちょっとにしかならず、結構ぎりぎりでした。
その経験から、2週間というのが、ギリギリ変容のプロセスを持続させる期間だなという実感があります。1ヶ月だと、結構その間にあることを忘れてしまい、そのモードを取り戻すのに時間がかかってしまうからです。
心理療法と、夢との取り組み
私は、ユング派の山王教育研究所に、移住までの10年間お世話になりました。移住していなかったら続けていたと思います。
それくらい実りの多いものでした。夢を記録して、夢について話をして、自分の今のことを話したり時々深い話をしたり。。。
夢で見ることは、深いことばかり。意識している自分が、気づかないようなことを教えてくれるので、それはもう正直な自分の気持ちだったり、もっと大きな自分のことだったり。いろいろあります。
かと言って、いっつも波乱万丈な夢ばかり、ということでは全然ありません。
むしろ、静かに、深く、ゆったりと流れている自分と向き合っているような感じかもしれません。
夢の解釈も、”他者に話す”ということを通じて、自分で思っている以上の意味を持っていたということが発見できます。
定期的に通い続ける、というのが心理療法の大事な点です。それも同じ曜日に、同じ時間で、同じ部屋が望ましいのですが、それには、心理療法家を心から信じるための“器を作る”、という大事な意味があります。
結論から言うと、私の場合、最初の5年は、ほぼ器づくりのために使われました笑。結構長い方だと思います。
けれども、この期間が長かったからこそ、心理療法家との信頼関係がとても深いものになりました。そして、そのために、その後の面接での実りはとても大きく、深いものになったということが今ではよくわかります。
時間をかけることは、より大きな自分を知る道
夢を記録して、心理療法家に話をする、という場があったので、夢を見て、書き起こして、それを持っていって話をする、という習慣ができました。
夢を自分の一部だと考えると、普通なら忘れ去られてしまう自己の断片を、掬って意識に取り戻す、ということを10年間続けたことになります。
実は、日常に戻る方がラクちんなのです。ただ、それでは、眠ったままの自己に触れることはできません。
話をする場があることで、続けることができるのかもしれません。プラクティショナーというのは、そのためにいるんだなと思います。自分の体について気づいたり、自分の感情体(アストラル)のことについて意識を向けたり、幼い頃の自分と向き合ったり、そういう取り組みは、他者がいることで、自己をより大きい視点で見ることが可能になります。
そこで気づいた、自分でも気づかなかった自分は、より大きな自己につながっていきます。そしてそれは、有機的に、じっくりと時間をかけて取り組む方が安全で確実です。
この道に、魔法はないです。瞬時に大きな自己にたどり着けるような魔法はなく、時間がかかるものなのです。
その代わり、時間をかけた道のりは、決して裏切らない確かなものになります。他者から与えられた文章や言葉では得られない、もっと確かな自己の内側からの確信です。
時間をかけることは、より大きな時間の流れに身を委ねること
時間をかけることは、もしかしたら、より大きな時間の流れに身を委ねることなのかもしれません。
私たちの人生は、約70〜80年、ですが、もっと大きな時間の流れが地球にはあり、その外側の宇宙になるともっと大きな時間の流れがあります。
人生を細かく見ると、いろんなことがあります。いろんな葛藤も、気持ちの乱れも、たくさんありますが、それらをなくすのではなく、それらがあることを知りながら、より大きな時間の流れに身を委ね、それと同時により大きな自己を感じること。
時間をかけるのを自分に許すことは、そんな壮大な世界観へと繋がっていきます。
そうすると、かつては、自分にとって不利だと思ってきた過去の出来事や状況が、実は自分にとっては大きな宝物だったことに気づくことがあります。そして、その先に進むことができるのです。
SHASで学んできたことは、このようなより大きな器の中で、様々な自分と向かい合い、より大きな自己の流れに身を委ねることを学んできたのかもしれません。
